HOME|茜色ジレンマ日記 text by 永利祐太




『x+y』稽古状況
2014年07月03日|diary
すでにお知らせしているように、アカネジレンマが「せんがわ劇場演劇コンクール」の一次予選を通過し、本選に駒を進めることになりました。我々の本番は7月13日の日曜日、上演時間は40分、一発勝負の本番に向けて、稽古をしている次第です。日本代表選手たちが日の丸を背負って、ブラジルで勇敢に闘っていた傍ら、僕たちも演劇界の片隅でひっそり、闘志を燃やしていたわけです。

稽古開始は、『異邦人』という約二年ぶりの本公演が終わって三週間後。自慢じゃないが、アカネジレンマは稽古初日に完成した台本がある、その歴史をかたくなに守ってきました。しかし、その歴史は、今回で止まることになりました。だってだって、三週間だよ、書けるわけないじゃない。と、言葉には出さず、ひたすら出演者には謝るのみ。そもそも、うちは台本が早い、というわけではなく、とりかかっている時間が早い。だから僕は差し引いて見れば、他の作家さんたちよりも筆が遅い、ということになるのです。

劇団員はもちろん、出演者のみんなからも多くの意見をいただきました。稽古初日に渡した台本から一転、二転、さらに三転し、ようやく完成にこぎつけたのであります。僕自身の力は少なく、みんなに書かせてもらった。稽古場でみんなの台詞を聞きながら、動きを見ながら、この物語にふさわしい結末を迎えた。謙遜とかではなく、今回のこの台本は、そういうふうにして、書き上げることができました。

本番まで残り10日。あとはもう、全力で稽古をするのみです。





『x+y』稽古開始
2014年06月11日|diary
本公演が幕を閉じて数日後……。僕はまた、別の物語に向かっている。

『x+y』というタイトルのその物語は、アカネジレンマが「せんがわ劇場演劇コンクール」に出場するための作品である。僕たちは、7月の半ばに行われるコンクールで、六団体のうちのひとつとして、その40分の作品を上演する。その稽古が今日、始まった。

出演者は、劇団員の宮崎、奥田に加え、かしむらまこと、安田ヨーグルト、高野あさな、計五人。

かしむらさんは『異邦人』から続投で、同じ作・演出家という立場もあり、僕を支えてくれたり共感してくれたり、舞台仕込み中の居方までも同じで、急激に距離感が縮まった、頼れる存在。安田さん高野さんはうちの準レギュラーとも言うべき俳優たち。闘いを挑むには最高の布陣といえる。

問題は、台本だ。

一応、完成した台本は渡せたものの、まだまだ再考の余地があり、書き直しをすることにした。本番まではあと一ヶ月。本公演からほどなくして、また演劇ができる喜び、その機会を与えてくださった感謝の意を噛みしめながら、しっかりと物語を紡いでいきたいと思う。





『異邦人』終演に寄せて
2014年05月20日|diary
アカネジレンマ第十一回公演『異邦人』無事に閉幕いたしました。
ご来場いただいたみなさま、協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

ある公害病に関する本を読んでいるときに、この話を思いついた。強く胸を打ったのは、自分が病に冒されていることを知りながら、自分たちの生活を守るために、そのことをひた隠しにしていたというエピソードだった。そしてその状況は、その病が発覚してから五十年以上経った現在の日本と、似ているように思えた。むしろ公害病のように地域にかぎられず、日本全土に拡大しているように思えた。

書くべきことはわかっていた。それは、答えのない問いでなければならなかった。黒川がニセコの腕をとったとき、その問いが、世界中に波紋のように広がっていくものでなければならなかった。小さな町で起こった小さな変化が、全世界を表現するものでなければならなかった。問題は、はたして本当に僕がそのような「世界」を描けたのか、ということなのだが。

劇中の「橙町」は架空の町だが、モデルとしているのは、河童伝説のあった母の故郷である。マルチェロとグイドという怪物の名前は、フェデリコ・フェリーニ監督の映画『8 1/2』で、俳優マルチェロ・マストロヤンニが演じた、グイドという映画監督から由来している。方言に関しては、僕の出身地である九州・福岡のものをベースにしているが、正確に採用したわけではない。「におう」というのは方言ではなく、『万葉集』などに出てくる古語である。これらの言葉は、あくまで「橙町」のなかで成立していればよかった。

千秋楽の翌日、歩き続けながら見た景色は、出会った人々と過ごした時間とともに、方舟のように僕をちがう世界へと連れていってくれているような気がした。自分の立っている場所をしっかりと認識していきたい。隣にいる人と一緒に。


◉上演記録***************
 アカネジレンマ第十一回公演『異邦人』
 2014年5月14日(水)〜18日(日) 八幡山・ワーサルシアター

 作・演出/永利祐太

 キャスト
 早乙女/小林知未(多少婦人)
 野沢、野沢の父、町民2/宮崎泰樹
 十和田、十和田の父、町民1/安田ヨーグルト
 有馬、有馬の母、町民3/村上亜利沙
 塩原、塩原の父、町民4/大多駿介
 人吉、町一番の長老、町民5/かしむらまこと(安全品(近々改名の予定あり))
 犬吠、犬吠町長/仙石智彬(ファルスシアター)
 中禅寺ニセコ、司会者/川口雅子
 黒川、黒川の父/奥田満

 スタッフ
 舞台監督/高橋京子
 照明/若原靖
 音響/ひのだい
 制作/松島瑞江
 企画・製作/アカネジレンマ






甘党
2014年02月14日|diary
家宝にしようと思います。






近況
2014年02月13日|diary
最近はもうこんな感じでひょうきんに生きてるので、久々に会う人には吃驚されます。






東京塔
2014年01月14日|diary
夜に来るのは久しぶり。






祝宴
2014年01月11日|diary
結婚した友人を祝いました。
@銀座








謹賀新年
2014年01月01日|diary
明けましておめでとうございます。
本年もアカネジレンマをよろしくお願いいたします。






2013年最後の日記
2013年12月31日|diary
演劇から少しばかり遠ざかっていた。距離を置いていた。

今年最初の日記を読み返すと、二本の番外公演ののち、年末に一本、本公演を打つ、との公言が記してある。二本の番外公演(一月「ボン・ヴォヤージュ」、五月「あまつばめ」)は実現したが、年末に一本、というのは打つことができなかった。ゆえに、六月以降の今年下半期は、演劇活動をひとつもしていない。そればかりか、演劇を観に行くことすらやめていた。おそらく、記憶が確かならば、下半期に観劇したのはたったの一本だ。演劇に触れない日々が六ヶ月、続いた。そのあいだ何をしていたか、多くは語らないが、自分にとっては必要な時間だった。必要な時間が過ごせたと思いたい。

演劇のない日々は、あながち寂しくはなかった。新しいものも吸収できたし、旅行も二回ほど行った。そこには、自分の知らない世界があった。世界は、驚きや発見や感動で満ち満ちていた。だから、楽しかった。問題は、そのいずれも、自分のなかの中心に据えられることはなかった、ということなのだが。

今年が暮れゆくなか、僕はこたつのなかに縮こまりながら、この文章を書いている。あまりに狭く、小さな世界から、残されるのは言葉ばかりで、しかしそこにしか、僕の居場所はない。

本年も、たいへんお世話になりました。
みなさま、よいお年を。

永利祐太





誤操作日記
2013年12月28日|diary
最後のガラケー世代と呼ばれた私も、ようやくスマートフォンというものを購入しまして、画面をスクロールさせただけなのに間違い電話をかけてしまったり、LINEスタンプを押し間違えたり、「スマホの誤操作」が犯罪だったら間違いなく逮捕されてるよ、という慣れなさで、ボタンがない、という当然の事実にいまだ困惑、受け入れられない状況でございます。

またもやお久しぶりです。

この一ヶ月のあいだ、スマホに替え、そして劇団の素材写真を撮り直したりしていました。あと、アカネジレンマのグルメ担当・宮崎に、すげえうまい焼肉に連れていってもらったりしました。

あとはずっと、台本を書いたり書かなかったりしていました。思いつくままに書きなぐった「流れ」の初稿から、「情報の整理」をテーマにした第二稿。今回はミステリー要素もあるので、ここにかなりの時間を割いているのです。それにしても、来年五月の本公演は、一年半ぶりの新作になりますので、非常に気合いが入っていますし、丁寧に丁寧に生み出している感覚があります。今までとはかなり変わったこと、自分のなかで新しいことにも挑戦しようとしていますので、待っている方が何人いるかわからないですが、お楽しみに待っていてください。

そのまえに、トップページでもお知らせしていますが、来年二月には奥田、宮崎が外部にて演出したり出演したりします。劇団員同士で、どんかぶりの日程で、二月の三週めにみなさまの前に姿を現します。こちらは、チケット発売中ですので、どうぞよろしくお願いいたします。



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